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弘法大師は、真言密教の悟りに至るまでの、心の段階を10段階に分けて示されました。十住心論(じゅうじゅうしんろん)とは空海(弘法大師)の主著で、さまざまな人間の精神レベルを、十種類に区分して、まるっきり善悪の判断もできないような最低の心の持ち主を、最も程度の低い第一住心として、それからだんだんと心の持ち方が向上していく過程を、第二住心、第三住心と数を増して位を上げてゆき、最後には、心は大宇宙(大日如来)と一つになり真理に到達すると説かれています。
動物のように善悪を知らず、かげろうを追いかけるように欲望に生きている段階。
子どものように愚かだが、節約して他に施すようになる。善に目覚める段階。
さまざまな教えを学んで天界に生まれることを願う。いろんな教えに心を奪われている段階。
すべては五蘊(ごうん)の仮のあらわれであり、「我も無い」と信じる。小乗心で自分だけの悟りを求める段階。
縁起の法に目覚める。小乗仏教の縁覚の段階。
大乗の菩薩道(他人を幸せにすることの楽しさ)に目覚める。自我の心を見つめる段階。
空の思索を深め、どちらにも偏らない「中」の瞑想に至る。「さとりの智慧」をめざす段階。
相反する二つのものは本来一つという「不二」である。また、声聞、縁覚、大乗という分けた方法などはなく、仏法は一つ(包摂)である。この世のすべてに不浄はなく清浄であると悟る段階。
人間の命は、細胞やバクテリアなどが集合した小宇宙である。そして、それらが集まってできているのが大宇宙である。この華厳の世界に生きていると悟る段階。
生命のもつ無垢なる知をさとる。これを突き詰めていえば、自らの心の根底に目覚め、ありのままの自らの心を知ることができる段階。
菩薩行を重ねることによって、涅槃(さとり)にたどり着くことができます。菩薩行とは、具体的には次のような「行い」をいいます。
まず「慈悲喜捨」の心を持つ覚悟を決める
l 慈:いつくしみの心。 「一切の生き物は安楽であれ」と念ずる。
l 悲:哀れみの心。 「一切の生き物がこの苦しみから逃れますように」と念ずる。
l 喜:喜びを与える心。
l 捨:わが身を捨てて人を救う心。
仏の行い(身・口・意)をまねる。
(行動・身)
l むやみに生きものを殺さない
l 他人の持ちものを欲しがらない
l 道に外れた交わりをしない
(言葉・口)
l うそをつかない
l おべっかを言わない
l 他人の悪口を言わない
l 二枚舌をつかわない
(心がけ・意)
l むやみにけちけちしない、欲張らない
l むやみに怒らない、やきもちをやかない
l 間違った考えをおこさない
菩薩として守るべき最も厳重な禁戒
1. 正しい教えを守り、邪教を信じないこと
2. 四無量心(慈悲喜捨)を忘れないこと
3. 法を求める者には、惜しみなく教えること
4. 大衆の不利益になる行動はしないこと
菩薩が人々を救うために用いる四つの方法。
l 布施:他への施し
l 愛語:思いやりの言葉をかける
l 利行:他人に利益を与える
l 同事:相手の目の高さになる(相手の立場に立つ、思考を尊重する)
五大願は、菩薩が仏の教えをもとめるときに、はじめにたてた5つの誓い。
1. 衆生無辺請願度「あらゆる人を救わせてください。」
2. 福智無辺請願集「あらゆる智恵と福徳を集めさせてください。」
3. 法門無辺請願学「あらゆる法門を学ばせてください。」
4. 如来無辺請願事「あらゆる仏に合わせてください。」
5. 菩提無上請願証「かならず涅槃に到達させてください。」
六波羅蜜とは、この世に生かされたまま、「さとりの世界」に到るための六つの修行をいいます。
l 布施…法施(知識や教え)、眼施・顔施(優しい顔)、言施(温かい言葉)、無畏施(恐怖心を取り除く)、身施(お手伝い)、心施(善い行いをほめる)、座施(場所を提供する)⇔ 反対(ケチ)
l 持戒…ルールを守り、自分勝手な行動をとらない。⇔ 反対(約束を破る)
l 忍辱…悲しいことや辛いことがあっても、落ち込まないで頑張る。⇔ 反対(短気)
l 精進…最善をつくして努力する。⇔ 反対(怠惰)
l 禅定…心を落ち着ける行(瞑想、阿字観、月輪観、日輪観)⇔ 反対(落ち着きがない)
l 智恵…仏の考えができる行(善いことを行い、悪いことをしない)⇔ 反対(ねたみ・そねみ・うらみ)
懴悔によって人類の犯した罪業の赦しを得る。世尊は「未来世においてこの懴悔の法を修すれば、その人は諸仏に守られて、無常のさとりに至る」と宣べられています。
l 仏法僧の三宝をそしらないこと
l 出家者の修行を妨げないこと
l 六念(念仏・念法・念僧・念戒・念施・念天)の法を行うこと
l 大乗の教えをたもつ者を助け、供養し、礼拝すること
l 空の教えを常に思うこと
※六念
・念仏(よく仏のことを思うこと)
・念法(よく仏の教えを学ぶこと)
・念僧(よく仏の教えを学ぶ者達を敬うこと)
・念戒(よく戒律を守ること)
・念施(よく布施を行うこと)
・念天(よく天の神々を敬い、功徳を積み天に生まれることを願うこと)
父母に孝行すること
師(先生や目上の人など)を敬うこと
正しい法をもって国を治め、人々が間違った道へ進むことのないようにすること
(ここでは国とありますが、例えば家庭や職場、学校において正しい教えを自らが実践し示すこと。)
六斎日にはあらゆる生き物を大切にし、周りにも殺生をしないようにさせること
(六齋日…戒律を守り身を清浄にたもつ日。8日、14日、23日、29日、30日の6日間)
因果応報を信じ、仏の道を信じ、仏は滅することがないことを知ること
三密(密教の観想)
1.身密…手に印契(いん)を結び、御仏をお招きする。
2. 語密…ひそやかに真言(陀羅尼、秘密語)を誦して、その真言の文句を心に観じてよくはっきりと理解し、間違いなく唱える。
3. 意密…心を統一する瑜伽(ゆが、三昧、さとりの心の状態)に住して清く円満な月のような菩提心を観ずる。
月輪観・阿字観の詳しい方法はこちら